物々訓倶楽部

第3回 投稿作品【課題部門】

2012年11月1日

第3回募集(2012年8月15日~10月14日)に寄せられた「課題部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

お題:色鉛筆

水色がたくさん減った夏はきっと、
思い出がたくさん増えた夏だ。
―――― 色鉛筆

作者:お題: 、

いっぱい仕事をするほど
身を低くする人であれ。
―――― 色鉛筆

作者:お題: 、

尖ってるやつも、いずれ丸くなる。
そしたらまた、身を削れよ。
―――― 色鉛筆

作者:お題: 、

俺達ゃ ちっちゃく生まれてきて
数字でいっぱい、赤くなり
親父の耳で 青くなり
たまにゃー、
仲間のようにきらびやかな
ブリキのベットに寝てみた~い!
―――― 色鉛筆

作者:お題: 、

上手く描こうとか、
キレイに描こうとか、
いいんじゃない?
好きなものを描けば。
―――― 色鉛筆

作者:お題: 、

他と混ざりたい?「別に・・・。」
個性?「さあ・・・。」
なにがしたいの?「できること。」
なにができるの?
「色分け・・・・とか。」
―――― 色鉛筆

作者:お題: 、

一筆選評

今回の「課題部門」の一筆選は、一閃さん作「水色がたくさん減った夏はきっと、/思い出がたくさん増えた夏だ。」です。黒船さん作「太い軌跡を残すなら、丸くなれ。」も心に響く素晴らしい出来栄えで、どちらを選ぶか大変悩みました。正直なところ、2作とも一筆選とさせていただきたい。そんな気持ちです。ただ……どちらかというと、一閃さんの訓のほうが、より色鉛筆らしい作品になっていると考え、今回はこのような選といたしました。

一閃さんの訓は、下手な解説を加えるのも気が引けるほどの出来栄えです。皆さんなりに、この秀逸な訓を味わってみてください。

黒船さんの訓については、ひと言、ふた言。含蓄深いメッセージが短い言葉に凝縮された、ズシリと重みのある作品です。最初は、お題が「鉛筆」なら、さらに力強い印象になったのでは?と思ったのですが、深く考えてみると、色鉛筆一本一本、言い換えれば、十人十色の個性を持つ人間一人一人に対して、このメッセージは発せられている、とも解釈できることに気づきました。そうだとするならば、想像を超えた深みが、この一訓にはある。と、鳥肌が立ちました。

この他にも、個性的な秀作がズラリ。芯の強さを感じさせる、後援会池の会さん作「僕は誰とも混ざらない。・・・・かも。」、人間味あふれる独特の語り口が素敵な、数八 満さんの一訓、肩の力を抜いて絵を描いてみようという気にさせてくれる、糸旦さんの一訓など、その多彩な感性に感じ入りました。

今回も、最後にちょっとお願いです。物々訓には、

  • 1行の文字数、15文字以内。※16文字目に句読点か閉じカッコがくる場合のみ、一行16文字となっても良い。
  • 本文行数、6行以内。※「物」の名称は含まず。
  • 最適と思われる個所で改行。

など、いくつか簡単な作法があります。ぜひ本サイト掲載の「物々訓の作法」をご一読いただきますようお願いいたします。(一筆)