第8回募集(2013年6月15日~8月14日)に寄せられた「課題部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!
お題:エアコン
やなことたくさん吸い込んだなら
ふ~っと吐いていきましょう
ふ~っと
ふ~っと
ほら気づけば何だかいい空気
―――― エアコン
空気よんで、温度差うめて。
サラリーマンは大変だ。
無駄にエネルギーつかうよ。
わたしも同じ。
―――― エアコン
自分が幸せになるとき
誰かが犠牲になっているのだろか
と、考えたり
考えなかったりして
毎日が過ぎていきます
―――― エアコン
見た目ガッチリ、仕事は細やか
これが、モテる秘訣
―――― エアコン
夏は北海道、冬は沖縄。
居ながらにして叶えましょう。
―――― エアコン
空気なんて読まなくても
新しい風を吹かせればいい
―――― エアコン
日本の夏は、
目には薬でも
体には毒でした。
―――― エアコン
1度上げて!
2度下げて!
やっぱ・・・!
手のひらで転がされる幸せ
―――― エアコン
今年の夏は、
自然のままに過ごすと
身体に悪い。
―――― エアコン
熱は外!熱は外!
涼は内!
熱は外!
―――― エアコン
ぼくは
夏は冷たい心、
冬は温かい心を
もっているよ。
―――― エアコン
空気が読めたら、変えてみるべし。
―――― エアコン
北風と太陽は力自慢だから
旅人は旅人のまま
話を聞いて寄り添えば
いつまでも一緒
―――― エアコン
聞き上手。って言われたい
寄り添うことが私の信条
―――― エアコン
一筆選評
今回の「課題部門」の一筆選は、玲緒さん作「やなことたくさん吸い込んだなら/ふ~っと吐いていきましょう/ふ~っと/ふ~っと/ほら気づけば何だかいい空気」です。
この訓は、なんといっても擬音語の使い方が巧い。「ふ~っと」を効果的に使うことで、キャッチーな印象のみならず、す~っと心に広がるやさしい空気の流れのような、とってもやわらかい印象を生むことに成功しています。そして何より、読むと思わず「ふ~っと」やってみたくなって、実際にやってみると何だか気分が浄化されていくような、いい空気に包まれていくような、そんな気持ちにさせてくれる。そこがまたスゴイところです。
この他にも、素敵な訓が多数寄せられました。サラリーマンとエアコンの類似性を巧みに表現した、はるさんの一訓。理想的な男性像をエアコンに託した、凪音さんの印象的な訓「見た目ガッチリ、仕事は細やか/これが、モテる秘訣」。想像するとワクワクするような例えを使って文明の利器を巧く表現した、Pさん作「夏は北海道、冬は沖縄。/居ながらにして叶えましょう。」。エアコンに猛暑を語らせている(しかも表現巧みに……)ところが新鮮な、文福さん作「日本の夏は、/目には薬でも/体には毒でした。」。「なるほど、豆まきか!」と、思わず笑って膝を打った、あいちゃんさんのユーモア訓など。
ひとつのお題で、これだけ多彩かつ味わい深い訓が生まれることに、改めて感動いたしました。ご投稿いただいた皆様、どうもありがとうございました。またのご投稿をお待ちしております。(一筆)