物々訓倶楽部

第13回 投稿作品【課題部門】

2014年9月11日

第13回募集(2014年6月15日~8月14日締切)に寄せられた「課題部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

お題:風鈴

音を上げちゃ
だめなんて
ナンセンスよねえ
―――― 風鈴

作者:お題:

風立ちぬ
いざ鳴らめやも
―――― 風鈴

作者:お題:

弱い風、強い風、
ここち良い風、
時には逆風だって吹くけれど、
風があるから響くんだ。
―――― 風鈴

作者:お題:

まわりの風当たりが強すぎれば
自分の実力を
発揮できなくて当然さ。
そよ風くらいだったら
クールでいられるのにね。
―――― 風鈴

作者:お題:

暑くても凜とする。
涼しげにリンと鳴る。
―――― 風鈴

作者:お題:

風当たりが強いほど
大きい音を出せるんだ。
―――― 風鈴

作者:お題:

凪なりて
何とか君に届けたい
この熱い思ひを
風の音として
―――― 風鈴

作者:お題:

私が鳴ったら夏なんです。
逆は認めません。
―――― 風鈴

作者:お題:

デジタル化していく時代の中で
ぼくはいつまでも自然の力で
みんなをいやす
―――― 風鈴

作者:お題:

音でかなでる心のクーラー
いつの時代も夏の必需品
―――― 風鈴

作者:お題:

焦らないで
羽もフロンもないけれど
君の心を冷ますよ。
―――― 風鈴

作者:お題:

てるてる坊主のバトン受け、
夏の主役は私なの。
心涼む音色です。
―――― 風鈴

作者:お題:

みンみンと
違う道を
凛々と
選び生きる。
―――― 風鈴

作者:お題:

一筆選評

今回の「課題部門」では、第4回訓会(6月開催)に参加してくださった方々が当日綴られた訓も、併せて紹介させていただきました。

さてさて、今回の一筆選は、玲緒さんのこの一訓です。

「音を上げちゃ/だめなんて/ナンセンスよねえ――――風鈴」

切り口がおもしろいですよね。軽妙で優しくて……「なるほど、そう来たか!」という感じ。風鈴の音色を心で聴きながら読むと、ふわっと心が軽くなります。これまでにも何度か一筆選に選出させてもらっている、物々訓名人のおひとり玲緒さん、さすがです。

もう一訓、一筆選の選出で迷ったのが、Pさんのこの作品です。

「風立ちぬ/いざ鳴らめやも――――風鈴」

この訓は、堀辰雄の小説『風立ちぬ』で有名な、ポール・ヴァレリーの「風立ちぬ、いざ生きめやも」をベースとした作品。これも玲緒さんの訓同様に「そう来たか!」という印象。文学作品を巧く活用しているところが、これまでになく、新鮮です。

橘正さんやハタ某さん、SSじゅうさんの訓は、自分に対する周囲の状況を「風」に例えた、比較的王道の作品。いずれも強く心に響く佳作です。三者三様の個性が出ていますね。

Wakkyhrさんの次の一訓は、第4回訓会で最も人気を集めトップ賞を獲得した作品です。

「暑くても凜とする。/涼しげにリンと鳴る。――――風鈴」

「凜」と「リン」を巧みに掛け合わせているところが素敵ですね。儚げでいて凜とした風鈴の音色にも、よく合っています。

その他にも、個性的な訓がズラリ。

ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。晩夏の風を感じながら、じっくり愉しませていただきました。ではまた次回。ごきげんよう。(一筆)