物々訓倶楽部

第14回 投稿作品【自由部門】

2014年11月11日

第14回募集(2014年8月15日~10月14日締切)に寄せられた「自由部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

本当はもう
決まってるんでしょ?
―――― 天秤

作者:お題:

自分や家族を犠牲にしてまで
立派なところに座りたいかい?
身体を壊したらベンチ入りだよ。
―――― 椅子

作者:お題:

お疲れさま。
そんなに肩を落として、
大変なことがあったんだね。
たまには、
誰かの肩を借りても
いいんじゃないかな。
―――― ハンガー

作者:お題:

一筆選評

今回の「自由部門」は「課題部門」と比べ、残念ながら投稿数が少なく、ちょっと寂しいものとなりました。その中でも、物々訓倶楽部の常連さんであるSSじゅうさんやメメ倉さんが健闘してくださいました。

一筆選は、SSじゅうさんのこの一訓です。

「本当はもう/決まってるんでしょ?――――天秤」

二者択一をする際の心理をテーマにした、シンプルでいて味わい深い一訓です。何かを天秤にかける時、どちらを選ぶべきか本当に迷っている場合もあるし、なんとなく心は決まっていても一応比較しつつ選びたいという場合もありますよね。いずれにしても何かを選ぶ際、相対的に見て判断したい、それのほうが判断しやすいという傾向が、人にはある。そもそも最初から「コレしかない!」とバシッと決まっていれば天秤にかけるまでもないわけですが、他を見ないで即決するというのも、ちょっと考えちゃう部分ありますよね。人の心理っておもしろいなぁ、と思います。このSSじゅうさんの一訓は、行間を読み解く愉しさがありますね。

SSじゅうさんのもう一つの訓も、いいですね。

「自分や家族を犠牲にしてまで/立派なところに座りたいかい?/身体を壊したらベンチ入りだよ。――――椅子」

ぼくは素直に共感できました。ただ、仕事が忙しくて、つい身体を酷使しちゃうことってありますよね。ベンチ入りにならないよう気をつけようっと。皆さんも、ご自愛くださいませ。

メメ倉さんの一訓は、やさしさに満ちた素敵な作品。

「お疲れさま。/そんなに肩を落として、/大変なことがあったんだね。/たまには、/誰かの肩を借りても/いいんじゃないかな。――――ハンガー」

巧いですよね。特に、ハンガーと人の姿が重なる「そんなに肩を落として」という表現、秀逸だなぁと思いました。まあ、ハンガーは肩を落としているわけではなく、単に撫で肩なだけですが(笑)(一筆)