物々訓倶楽部

第14回 投稿作品【課題部門】

2014年11月11日

第14回募集(2014年8月15日~10月14日締切)に寄せられた「課題部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

お題:花火

夜空にとどまらず
記憶にとどまる
―――― 花火

作者:お題:

お日様が沈んでからが
僕にとっては夏なんです
―――― 花火

作者:お題:

いいじゃん。
少し煙たがられるくらい。
みんなを明るくできるのなら。
―――― 花火

作者:お題:

みんなの顔がみたいから
僕は明るく照らすんだ
うつむかないで
上を向いてるみんなをみたいから
―――― 花火

作者:お題:

たとえ後に残すものがなくとも、
幾ばくかの惜情を含んだ
笑顔で見送ってもらえる。
そんな別れ際があれば良い。
―――― 花火

作者:お題:

夜に大きな音だして、
ギラギラ眩しくさせたら、
普通迷惑しちゃうよね。
でも、みんな喜んでくれるよ、
自分の場合。
大事なのは見せ方じゃない?
―――― 花火

作者:お題:

身を焦がすような
わたしのこの苦しみが
あなたの光になりますように
―――― 花火

作者:お題:

湿気た顔しちゃ、
周りも明るくならないよ。
―――― 花火

作者:お題:

燃ずれば、花ひらく。
―――― 花火

作者:お題:

終わりはいつだって
あっけないものよ
―――― 花火

作者:お題:

後先考えない方が
パッとしたこと
できるんじゃないかな
―――― 花火

作者:お題:

なになに
燃え尽き症候群?
素晴らしい!
―――― 花火

作者:お題:

一筆選評

今回の「課題部門」の一筆選は、Pさんのこの一訓です。

「夜空にとどまらず/記憶にとどまる――――花火」

秀逸なレトリックを使い、短い言葉で印象的なメッセージを放つその技量、アッパレです。

儚さと華やかさ、力強さが一体となった花火の魅力が行間から滲み出し、さまざまな示唆を与えてくれる、まさに「記憶にとどまる」一訓ですね。

他にも、キラリと光る訓がズラリ。

自らを多少犠牲にしてでも、みんなのことを思う。その気持ちに拍手を送りたい、SSじゅうさんの一訓。

「いいじゃん。/少し煙たがられるくらい。/みんなを明るくできるのなら。――――花火」

「いいじゃん。」という印象的な言葉を冒頭に持ってきているところも、巧いですね。

やさしさに満ちた前向きな一訓で、発想も素敵な、おおいけさんの作品。

「みんなの顔がみたいから/僕は明るく照らすんだ/うつむかないで/上を向いてるみんなをみたいから――――花火」

(メッセージを、より印象的に際立たせるために、前半の「みんなの顔がみたいから/僕は明るく照らすんだ」を思いきって省くという手も、もしかしたらあるかもしれませんね。ご参考まで)

「別れ」をテーマにした、メメ倉さんの一訓。

「たとえ後に残すものがなくとも、/幾ばくかの惜情を含んだ/笑顔で見送ってもらえる。/そんな別れ際があれば良い。――――花火」

「大事なのは見せ方」という教訓を親しみやすいセリフで表現した、takoballさんの一訓。

「夜に大きな音だして、/ギラギラ眩しくさせたら、/普通迷惑しちゃうよね。/でも、みんな喜んでくれるよ、/自分の場合。/大事なのは見せ方じゃない?――――花火」

華やかなる存在が秘めた労苦と想いを綴った、玲緒さんの一訓。

「身を焦がすような/わたしのこの苦しみが/あなたの光になりますように――――花火」

いずれの訓も味わい深く、夏を偲びつつ、じっくり噛みしめさせていただきました。

ご投稿いただいた皆さん、ありがとうございました。ではまた次回。ごきげんよう。(一筆)