物々訓倶楽部

第20回 投稿作品【自由部門】

2015年11月10日

第20回募集(2015年8月15日~10月14日)に寄せられた「自由部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

何も言わなくても、
自ら進んで動けば、
みんなついてくる。
―――― 指揮棒

作者:お題:

得意技は「ピッ!」と読むこと。
人の気持ちも
白と黒の組み合わせなのに
これだけは、読めない。
―――― バーコードリーダー

作者:お題:

全ては君の肩にかかっている。
だからこそ、無理をするなよ。
―――― トートバッグ

作者:お題:

一筆選評

今回の「自由部門」は、残念ながら投稿数がとても少なかったのですが、その分、それぞれの作品をとくと噛み締めさせていただきました。一筆選は、小澤楽さんのこの一訓です。

「何も言わなくても、/自ら進んで動けば、/みんなついてくる。――――指揮棒」

物々訓らしい教訓作品。シンプルでいて力強い一訓です。

Yukkomomさん作「バーコードリーダー」、これも印象的な一訓ですね。

「得意技は「ピッ!」と読むこと。/人の気持ちも/白と黒の組み合わせなのに/これだけは、読めない。――――バーコードリーダー」

バーコードと人の気持ちを巧く対比させているところ、お見事です。「人の気持ちも/白と黒の組み合わせなのに」、この表現、ちょっとドキッとしました。キッパリと言い切っている分、鮮烈。個人的には、冒頭の「得意技は『ピッ!』と読むこと。」がちょっと、もったいなかったかなぁと思います。鮮烈な印象を、ちょっぴり邪魔しちゃったかなぁと。もしこの一文がなかったら、さらにエッジの効いた作品になったと思いますよ。

メメ倉さん作は「トートバッグ」、これは実に深い作品で、読み方によってはユーモアも感じられる一訓です。

「全ては君の肩にかかっている。/だからこそ、無理をするなよ。――――トートバッグ」

「全ては君の肩にかかっている。」とプレッシャーをかけつつ、「だからこそ、無理をするなよ。」と気遣っている。こんな風に言うことも普通にありそうですが、果たして言われた人は、どう感じるのか……アメとムチのような、そうでないような……矛盾のような、矛盾でないような……不思議な感じ。こうしたことって、意外とあるのかもしれませんね、日常生活の中に。(物々訓主宰/一筆)