物々訓倶楽部

第22回 投稿作品【課題部門】

2016年3月10日

第22回募集(2015年12月15日~2016年2月14日)に寄せられた「課題部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

お題:凧(たこ)

無心で走れ

風はあとからついてくるから
―――― 凧

作者:お題:

ひとりで飛べなかった空も
ほら ふたりなら飛べるかも知れ
ないよ
―――― 凧

作者:お題:

和でも
洋でも
連でも
とにかく
揚げてくれよ!
―――― 凧

作者:お題:

やっこさん
バランスいいね!
―――― 凧

作者:お題:

空の近くは気持ちいいなあ。
この景色は、君にも秘密さ。
君が僕より高く飛んだら、
糸はもう必要ないのかなあ。
―――― 凧

作者:お題:

草食系もいいけれど
やっぱり私のタイプは肉食系
―――― 凧

作者:お題:

一筆選評

今回の「課題部門」の一筆選は、前回に続きヅキーさんの一訓です。

「無心で走れ/(一行スペース)/風はあとからついてくるから――――凧」

力強い一訓ですね。凧が、揚げ手に向かってゲキを飛ばしている設定がいい。揚げ手が、凧糸を握って全力で走っている光景が目に浮かびます。夢を追いかけている人や、仕事で行き詰まっている人の心に、グッと響きそう。一行スペースで間を取っているところもナイスです。

寿来さんの一訓も、素敵です。

「ひとりで飛べなかった空も/ほら ふたりなら飛べるかも知れ/ないよ――――凧」

確かに凧は大空を舞うことができる。でもそれも、凧の揚げ手がいてこそ、ですよね。当たり前のことですが、とても大切な視点だと思います。何事も自分独りでできる、というのは思い上がり。逆に言うと、なんでも自分独りで抱え込まないで、誰かに頼ってもいいんだよってこと。想いを実現するには、多くの場合、誰かの支えが必要なものですから。この訓は、そうしたことを改めて考えさせてくれる上、周囲への感謝の気持ちも思い起こさせてくれる快作。いつも心に留めておきたい一訓です。(物々訓主宰/一筆)