物々訓倶楽部

第23回 投稿作品【自由部門】

2016年5月11日

第23回募集(2016年2月15日~4月14日)に寄せられた「自由部門」の作品をご紹介します。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

君が僕に口づけるのは
あの男に、その唇を
奪わせるためなんだな
―――― 口紅

作者:お題:

申し訳ございません。私のご主人
様がここに私を置いて行きました。
私をみて不快に思ったらどうか捨
ててくれませんか?
―――― ポイ捨てされたタバコ

作者:お題:

缶蹴りって誰が思いついてくれた
んだろう。リサイクルって誰が考
えたんだろう。ステキ
―――― 空き缶

作者:お題:

私は面白い道でも足ツボの道でも
ありません。目の見えない人の道
です。
―――― 点字ブロック

作者:お題:

一筆選評

早くも、夏の日差しを感じる日が少しずつ増えている昨今。皆さんは、いかがお過ごしですか? 晴天の下、半袖で歩いていると、もう夏だぁ!という気分になるのですが、まだ梅雨が控えているんですよねぇ。夏好きとしては待ち遠しいです、夏本番のキラキラの太陽が。

さて、前書きはこれくらいにして、さっそく今回の「自由部門」の一筆選をご紹介します。花巻さんのこの一訓です。

「君が僕に口づけるのは/あの男に、その唇を/奪わせるためなんだな――――口紅」

今回も残念ながら投稿少数でしたが、この訓は、ひときわ輝きを放っていました。本命獲得に利用される「口紅」の悲哀……。口紅を擬人化する場合、普通なら女性を選びそうですが、花巻さんはあえて男性を選んで、人間くさい恋愛ドラマをわずか三行に凝縮することに成功しました。艶やかさと男の切なさが濃厚に溶け合う、味わい深い秀作。これからは口紅を見るたびに、この訓を思い出して、いろいろ考えちゃいそうです(笑)

真さんのこの一訓も印象的です。

「完全燃焼――――ホッカイロ」

四文字に込められた、「ホッカイロ」の想い。端的にして力強く、熱血にして清々しい。そして、奥深い。人のために情熱を燃やし、全力を出し切る……なかなか難しいことですが、こうした気持ちを心のどこかに留めておきたいものですね。ホッカイロに敬意を表します。(物々訓主宰/一筆)