物々訓倶楽部

第36回 投稿作品【自由部門】

2018年7月10日

第36回募集(2018年4月15日~6月14日)に寄せられた「自由部門」の作品をご紹介します。ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!

広く浅く
じゃなく、
狭く深く
愛したいの。
―――― 虫眼鏡

作者:お題:

22時近く
キミはボクを取り出す

『負けました』
相手への敬意と
『次は負けない』こめて
―――― リップクリーム

作者:お題:

交換とか
替わりとか

『武骨な感じ』と
ギャップあるよね~
って言われるよ
―――― 将棋の駒・角

作者:お題:

一筆選評

今回の自由部門は、残念ながら投稿少数でした。一筆選は、その中でも特に味わい深かった、baddesigncompanyさんの一訓。ほろ苦いユーモア訓です。

俺だって
泣きたいときや
怒りたいときも
ありますよ。
――――ニコニコバッチ

「スマイル」の王者たるスマイルマーク(ニコニコバッチ)の愚痴に、読むほうも思わずニコリ(笑)純粋におもしろい。でもこの訓は、それほど単純ではない。そんな風に感じます。お客さんと直に向き合って仕事をする人たちの苦労を綴った訓。僕は、そうとらえました。営業や接客をする人たちに、笑顔は欠かせません。たとえツラいことがあっても、お客さんの前ではがんばってスマイル。この訓を読むと、スマイルマークが、そんな彼らの象徴なのではないかと思えてきます。そう考えると、あの貼りついたスマイルが、すごく深みあるものに見えてきます。(他にも違うとらえ方があると思います。ぜひ、それぞれの視点で味わってみてください)

詩のぶさんの一訓も印象的。

広く浅く
じゃなく、
狭く深く
愛したいの。
――――虫眼鏡

これはきっと、心の中にある「虫眼鏡」。それは、人を愛する心そのものかもしれません。誰かを愛すると、心の一部が虫眼鏡になる。愛する人を見つめる虫眼鏡。もっともっと深く知りたい。その一途な想いが、鮮やかに「拡大」されて伝わってきます。

続いて、うすた~さんさんの将棋シリーズから一訓。

音は本家と違う
持ち運びかさばる
たまには
始めた頃のワクワク
原点回帰もエエで~
――――木の折り畳み将棋盤

子どもの頃、折り畳み将棋盤でちょくちょく将棋を指したことを思い出します。まわり将棋や、はさみ将棋、将棋くずしといった将棋遊びもよくやりました。でも僕の場合は、そこ止まり。「本家」の将棋盤には至りませんでした。

自分のレベルアップに伴い、道具もグレードアップしたくなる。「本物」「逸品」の醍醐味を知りたくなる。上を目指して何かと向き合い続ける人は、そういうこと、あるのではないでしょうか。でも、時には自分の原点、初心に立ち返ってみるのも、きっといい。そこには忘れていた「宝」が眠っているかもしれないから。「原点回帰もエエで~」。

(物々訓主宰/一筆)

※「課題部門」もありますので、ぜひそちらもご覧ください。