物々訓倶楽部

第42回 投稿作品【課題部門】

2019年8月20日

第42回募集(2019年4月15日~7月14日)に寄せられた「課題部門」の作品をご紹介します。たくさんの作品投稿、ありがとうございました!

当コーナーでの作品紹介は、課題部門、自由部門それぞれ20訓まで(物々訓では、作品を「訓」とも呼びます)とさせていただいています。紹介できなかった訓の作者さん、ごめんなさい! ただ、ここで紹介できなかった訓も、物々訓サイトでは公開していますので、ぜひご覧ください。サイト内の検索窓に、作者名や物の名前を入力して検索すると見つけやすいです。

当ページの下部に、主宰・一筆による選評がありますので、そちらもぜひご覧ください! なお選評は、一筆の解釈・判断で書かれているため、もし作者さんの意図と違っていたら、ご容赦ください。

お題:定規

一ミリしかずれていない
と思うか
一ミリもずれている
と思うか
―――― 定規

作者:お題: 、

ひとりでは
ぐらついて歩けない。
わたしと一緒なら
あなたの思う
まっすぐな道を
進んでいけるはず。
―――― 定規

作者:お題: 、

僕のは、ピストル
先生のは、マシンガン
あのころ、無邪気だったよ。君は
・・・・・
―――― 三角定規

作者:お題: 、

一直線だけが人生でなし

たまにゃぐにゃりと寄り道を
―――― 定規

作者:お題: 、

私が測れるのは形のある物だけ
あなたの可能性までは測れない
―――― 定規

作者:お題: 、

僕が使われるたびに、僕は君の器
量も測ってるんだよ
―――― 定規

作者:お題: 、

あなたが目盛に付けた赤ペンの跡

口紅のようで
私はそれを誇らしく思う
―――― 定規

作者:お題: 、

今までよう耐えたわぁ、あのバカ
ぼんの工作に。今は傷だらけでお
母ちゃんの筆箱の中、偶に寸法取
りするけど、居心地ええわぁここ。
あっこらっ!お父ちゃん、背中に
入れんといて!
―――― 定規

作者:お題: 、

気持ちは
推し量れないが
寸法なら測れる
―――― 定規

作者:お題: 、

一筆選評

今回のお題は「定規」。快作多数で、一筆選に選びたい訓が複数ありました。作品をお寄せいただいた皆さん、ありがとうございました!

結果、一筆選に選んだのは、赤猫永宜さんのこの訓です。

新しい可能性はちょびっと背伸び
した先にある
         ――――定規

「ここで満足せず、もうちょっとがんばってみよう」、そんな風に思わせてくれる素敵な一訓。座右の銘にしたい(笑)「ちょびっと」が効いてますね。この愛嬌のある表現のおかげで、堅苦しい印象になることもなく、メッセージが鮮やかにストンと心に落ちてきます。拍手。

次は、水曜さんの一訓。

一ミリしかずれていない
と思うか
一ミリもずれている
と思うか
     ――――定規

神は細部に宿る。職人気質、いいなぁ……と、初見ではそう思ったのですが、何度か読んでいるうちに、いや、そういうことでもないのかなぁと思い直しました。どちらの一ミリのとらえ方がいいとかどうとか、そういうことでもないのかなぁと。一ミリへのこだわりも、時と場合によりけり。例えば……。一ミリの世界から広がる思索。味わい深い快作です。

次は、starさんの一訓。

ひとりでは
ぐらついて歩けない。
わたしと一緒なら
あなたの思う
まっすぐな道を
進んでいけるはず。
   ――――定規

定規は、まっすぐ我が道を行くための支え、伴侶。素敵ですね、この発想。まるで、定規流のプロポーズのようなセリフ。行間から、やさしさが滲み出ています。

次は、yukkomomさんの一訓。

僕のは、ピストル
先生のは、マシンガン
あのころ、無邪気だったよ。君は
・・・・・
       ――――三角定規

僕も、昔やったような気がします。三角定規を手に「バンバン!」「ダダダッ!」なぁんて。いろんな物が、遊び道具にもなった幼少期。でも、年を重ねるにつれて、無邪気な遊び心や茶目っ気は次第に薄れていく。そして、道具たちは「遊び」の兼任を解かれ、本業に集中するようになっていく。みんな、分別をわきまえるようになり、妙にまじめになっていく。それが成長する、大人になるってことなのかもしれません……が、なんだかちょっぴり寂しい気もします。せめて遊び心は、いくつになっても隠し持っていられるといいな。そんな風に思います。

次は、来野 怜志央さんの一訓。

大事なのは
直進するだけではなく
正しい方向に進むことだ。
     ――――定規

これぞと思った道を一直線。でも、その道は果たして正しい方向へ向かっているのでしょうか? 大事なのは、まっすぐ、正しい方向に進むこと。でも、正しい方向に進んでいるのかどうか、いや、それ以前に、正しい方向って何なのかさえ、当人には判断がつかないこともありそうです、案外。でもだからこそ、たまには立ち止まって、冷静に自分が走っている道の彼方を眺めてみることも大切。この訓は、そんなことを考えさせてくれました。

まぁ、ヅキーさんの訓にあるように、寄り道するのも悪くない(笑)

一直線だけが人生でなし

たまにゃぐにゃりと寄り道を
       ――――定規

寄り道が糧となり、人生がより豊かになるかもしれません。生き方はいろいろ。あなたは、どんな生き方をしたいですか?

(物々訓主宰/一筆)

※「自由部門」もありますので、ぜひそちらもご覧ください。

※課題部門、自由部門ともに、作品募集をしばらくお休みいたします。作品投稿を楽しみにしてくださっている皆さん、すみません。ご了承のほど、どうぞよろしくお願いいたします。(この間に作品をご投稿いただいても掲載はできませんので、ご了承ください)