第2回募集(2012年6月15日~8月14日)に寄せられた「自由部門」の作品をご紹介します。
沁みるなぁ。可笑しいなぁ。元気づけられるなぁ。
優しい気持ちになれるなぁ。心洗われるなぁ……
十人十色の珠玉訓が、いろんな角度から心に刺さりまくります。
ご投稿いただいた皆様、ありがとうございました!
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- 厳選作品の公開訓数について「2部門各10訓」としておりましたが、「2部門各最大20訓」に変更いたしました。
節電方法を教えるよ。
さあ電源を入れて!
―――― パソコン
最近、軟弱なやつや、
香水ぷんぷんさせてるやつ
挙句に
二枚でとぐろ巻いてるやつがいる
男は黙って 四角い顔で
ガツンといかなきゃなぁ
―――― ちり紙(昭和のトイレットペーパー)
毎日教科書などが入っている。
でも
テストを入れっぱなしにするのは
やめてください。
―――― ランドセル
忙しくて目が回りそうな時もある。
落ちにくい汚れや、
取れないシミだってそりゃあるさ。
でもね、水に流そうよ。
―――― 洗濯機
どんなに踏みつけられたって
前向きに進み続けるんだ。
二人一緒ならきっと大丈夫。
立派な人生めざそうよ。
―――― スリッパ
人生は
汗と涙でつくられる
いつも貴方の側にいて
憂さを拭い去る
そんな存在で
あれたらいいな
―――― 手ぬぐい
はやく良くなあれ。
私は、年に一度の短冊より
もっと願いごとを託されている
はずだ。
―――― 絆創膏
叩かれて、
叩かれて、
叩かれるほどに形造られ、
強くなる。
―――― 銅鍋
僕らはすぐ痩せて
寿命が短くポイですわ
娑婆の仲間がうらやましいなぁ~
―――― 相撲部屋のトイレットペーパー
みんなはいつも僕をみつめている。
そんなにみつめられたら
てれちゃうよー。
―――― テレビ
一筆選評
今回の「自由部門」の一筆選は、後援会池の会さん作「パソコン」です。
今回も素晴らしい訓が多いなあと感激した次第ですが、その中でも後援会池の会さん作「パソコン」は特に目を引きました。
節電を題材にした「こういうことってあるよなあ」という矛盾と、パソコン(インターネット)依存が強まる時勢を、シニカルなユーモアに包んで表現した快作です。無駄のない短い言葉がユーモアをいっそう際立たせ、嫌味なくストンと心に入る。後援会池の会さんのセンスが光る一訓です。
この他にも、秀逸な作品がズラリ。深みがあって前向きで、思わずジンときちゃう、橘正さんの訓。(物の言葉なんだけど)妙に人間臭くて魅力的な、数八 満さんの訓。体温を感じる、厳しくも優しい人生訓という印象の、雪之丞さんの訓。ユニークな例えが際立つ、一閃さんの訓。小学生ならではの発想・表現に心洗われる夏秋さんの訓。「成長」を力強く描いた、無頼庵さんの訓。いずれも味わい深い素敵な訓だなあと感じ入りました。
最後に、ちょっとお願いです。せっかく「自由部門」に投稿いただいたのに、語り手となる「物」の名称が記載されていない訓が見受けられました。記載漏れがありますと、残念ながら公開対象作品となりませんので、どうぞご注意ください。(一筆)