多趣多彩【第5回】

高校1年生、約120名が、「物々訓」に挑戦!

2014年2月20日

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去る2013年9月に開催された日本橋女学館中学校・高等学校「女学館祭」の国語科展示にて「物々訓」を取り上げていただき、高校1年生約120人の生徒さんが、そのみずみずしい感性で素敵な訓を綴ってくださいました。

十人十色、いや120人120色の個性が輝き、まさに圧巻。素晴らしい出来栄えの作品も数多く、「高校生の実力、恐るべし!」とうなりました。

その作品を一訓一訓拝見し、心底、感激いたしました。お一人お一人の作品が出来上がるまでのプロセスを想うと、本当に感慨深いです。「物」と向き合い、様々な想いを抱き、「これ」というテーマを選んで、さらにそれをどう表現するか試行錯誤した末に、発表の一訓に辿り着く……そうしたプロセスを120人もの生徒さんが辿ってくれたのですから。

また当日は、以前「物々訓」を朗読してくださった女優・春風ひとみさんも、お忙しい中、ご友人と共に駆けつけてくださり、ダブルの感激となりました。

今回は、展示された作品の中から、春風ひとみさんと物々訓プロジェクトメンバーのお気に入り作品を選出させていただき、それぞれコメント付でご紹介いたします。ぜひ、ご覧ください!

最後に、今回大変お世話になりました国語科の羽田野先生をはじめ、関係者の皆様に心からお礼申し上げます。

物々訓主宰/一筆

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女優/春風ひとみさん選

選評

1訓めは、環境問題を、柔らかい語り口調で、ちょっぴりユーモアも交えて上手に表現しているなと思いました。世の中はどんどん進化して便利になるけれど、その代償として新しい問題も生まれる。そういう警鐘が、心にスッと入って響く、素晴らしい一訓です。

2訓めには、清々しい、若さの匂いを感じました。活気ある学園生活が、目に浮かぶよう。青春だなぁ! 心に爽やかな風が吹き抜けるような、素敵な作品ですね。また、女性として「全部私が受けとめます。」に母性を強く感じ、学生生活を支えてくれた母のことを思い出す一訓でもありました。(青春あふれる「タオル」作品が他にも数訓ありましたが、その中から代表してこの訓を選ばせていただきました)

アートディレクター/佐藤わたる選

選評

価値のある物や事が身近にあるのに、見落としている事って結構あるよなぁ…と、気づかせてくれる訓だと思いました。

遠くを見るのも良いけれど、時には自分の身の回りを振り返ってみる。それも大事な事ですね。

ウェブマスター/星野純選

選評

いろんな意味で高校一年生の作品とは思えない、人生の機微が凝縮された超高校級の逸訓。このシンプルな表現の中で、(メールではなく)「手紙」というものの本質も見事に表されていますよね。

物々訓作家/一閃選

僕は喋り、時に歌う。
君が寂しくないように、
君が笑ってくれるように。
人の言葉を借りてエールを送ろう。
君がもういいと言うまで。
―――― ラジオ

作者:お題: 、

選評

最近、自分で物々訓を書いていて、ふと、「歌をつくる」ような感覚で書けたらいいなーと思うようになりました。

「言いたいこと」をただ棒読みしても人には伝わらないから、リズムを付けて詩にしたり、メロディを付けて歌にしたり、物に託して物々訓にしたりするわけですね。

そんな思いからこの一訓には共鳴しました。曲が浮かびそうなくらいの「歌」になっていますし、語られている内容もとても優しくて好感を持ちました。

(蛇足ですが、最後の一行は、もう少しラジオに寄せて「スイッチを消す」という場面を効果的に表現できたら尚いいですね!「君が僕の頭を撫でてくれるまで。」みたいな感じで。)

物々訓主宰/一筆選

選評

まず1訓めですが、世の中の学校で、日々、どれだけ多くの文字が「チョーク」によって綴られていることでしょう。そう考えてみると、教育現場における「チョーク」の重要性、偉大なる活躍ぶりに圧倒されます。その文字は授業の終わりと共に消されてしまうけれど、「知識」として学生たちの頭に蓄積され、彼らの人生の糧となってゆく……。儚くも、希望に満ちた、素晴らしい一訓だと思います。巧いなぁ。

2訓めは、勢いと清々しさと若さ溢れる、力強い一訓ですね。「やかん」の特徴をうまく活用した「ピーピー」「あつい」や、親近感がわく「大事だぜ」の表現も巧い。

泣くも、笑うも、心から、思いきり。そういう機会って歳を重ねるごとに少なくなっていくような気がしますが、それって寂しいことだなと思います。いくつになっても純粋な熱い気持ちを忘れず、イキイキと生きたいものです。