訓友来訪【第3回】

國岡真司さんアートディレクター

2012年11月27日

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私がフランスを訪れる度に足を運ぶ蚤の市にはヨーロッパ中から多くのプロガント(美しいガラクタ)が集まります。

パリ市内で人気のある蚤の市のひとつが14区にある『ヴァンヴ蚤の市』。ここで出逢った一枚の灰皿が私がコレクションをはじめる機縁となりました。

彷彿とさせたのは、大好きな60年代フランス映画のワンシーン。ロマ女性のシルエットが描かれたその灰皿は、酒場のシーンに登場したモノと同様でした。辿々しい会話でムッシュと値段交渉の末、コバルトブルーの陶器を抱えてホテルに戻ったのを憶えています。

それからは灰皿だけでなく、酒グラス、水差し、コイントレー等々、昔カフェで使用されていたプロガントを中心に収集し、愉しむようになりました。

これらは興味がない人にとってみれば価値の無い品々ですが、自分にとっては遠く離れたフランスの地に思いを馳すことができる逸品なのです。

酔えるのはほんのひととき。
泡のように消えるのが常。
―――― シャンパン

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