訓友来訪【第9回】

鈴木大貴さんアートディレクター

2013年7月13日

吾輩は、アートディレクターである。

そもそもアートディレクターは、どんな生き物なのか?

たいていの場合、コミュニケーション能力は、ちょいと弱いが、絵が上手い。けれども、画家や漫画家になるほど没頭できず、どちらかと言うと飽きっぽい。流行モノが大好きでポリシーもあるが、節操がない。その割には、頑固である。「なんで?このセンスが解らないかなぁ。」が口癖ですべてを納めようとする。そのくせ、涙脆くて小心者であったりするから面倒くさい。周りの人間は、たまったものではないだろう。

さて、そんな吾輩が生きている世界。よりによってコミュニケーション能力が最も問われる広告という広いようで非常に狭い世界に生きている。しかも、勝った負けたのと「勝たなきゃおまんまの食い上げ。」という博打のような世界だから、質が悪い。

生存権をかけたコミュニケーションの日々、戦い。アートディレクターという生き物にとっては、生息環境がまったくあっていない。結果、ちょっと前まではコピーライター、近年ではマーケッターとかストラテジストなる新たな生き物などが幅を効かせ、狭いこの世界でアートディレクターなる者は変人、絶滅危惧種のようであった。

しかし、ここにきて生きる為の進化を自らに課せ、コミュニケーション・デザインなる新しい武器を作り上げた吾輩たちは、逆襲にまんまと成功し、これからの新しい時代の波を夢見る日々なのである…。

生き方は
プラスもマイナスも
目的は同じ。
―――― ネジ

作者: お題: