訓友来訪【第15回】

和泉里佳さん自由大学キュレーター

2015年7月21日

はじめてのこどもがうまれて、そして私もひとりの母親にしてもらいました。

うまれた人の数だけ出産エピソードがあり、語り出すと止まらないというけれど、うまれるときからみんなもう個性的なのですね。

真っ赤な顔をして泣いたり、平和な顔をしてスヤスヤ寝たり、おっぱい、おむつ、ようやく寝たとほっとしたのも束の間、置いた途端にすぐ起き泣いて、はいおっぱい。

普通の顔してみんな大きくなっていますが、どんな怖い顔のおじさんも、お母さんのお腹の中からこの世に出てきて、おっぱいを飲んで大きくなったんだなんて思うと、ちょっとピースな気持ちになったりしています。

「おっぱい」「おしっこ」「うんち」。
これらの単語をこんなにもたくさん口にした1年は他にありません。せっかくいただいた文芸活動の場でこんな話?もっとキレイな物々訓を詠みたい!と思ったのですが、でもね、食べて、エネルギーを摂取して、不要なものを体外に排出するといういわゆる消化器系は、生き物の根幹を成すシステムで、生命そのものだなあと思うのです。

ヒトという生命体としてこの世に出現したばかりのあかちゃんも、誰に教えられた訳でもなくしっかりやっています。You are what you eat.とはよく言うけれど、あかちゃんを見ているとまさにそれを実感。私が食べたものが母乳と化してあかちゃんのエネルギーになるから、You are what we eat. 食べるって大切!

母乳は血液から作られると言いますが、私が食べたものはカラフルで、血液は赤、そこからつくられる母乳は白、最後に出るのは黄色ときどき緑。

絵の具のセオリーじゃありえない色の摩訶不思議。

体調のサインだったり、話せないあかちゃんからの表現のひとつとして、お通じのお手紙じっくり読ませてもらってます。出たものをじっくりよくよく観察するなんてことも、これまでの人生で経験してこなかったこと。

またひとつ新たな楽しみを教えてくれてありがとう。こどもはいろいろなことを教えてくれますね。毎日成長していくこどもとの時間、解像度高くいきたいものです。

おむつを交換している最中に、大なり小なりピューっとビーム攻撃されるというのは、新生児あるある。替えているうちから新しいおむつを汚され、おろおろしているうちにアンコール。そんな感じで3枚くらい一気に消費することも。

テープを止められることすらなく一瞬でお別れの存在感の薄いおむつもいれば、寝ている間中ずっと朝まで受け止め続けてパンパンになり12時間お肌さらさらを地でいき、おむつ冥利に尽きるものも。74枚パックの紙おむつの中にも、いろんな人生模様がありますね。

できるだけ、たっぷり受け止めて、
捨てられたい。
―――― 紙おむつ

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