料理にあった器があるように
あるいは記念日には
特別な料理を食べるように
花にあった私であり
その日その時の雰囲気にあう
私たちでありたい
作者:もがきた の作品(8訓)
欠けたコップや牛乳瓶でも
それがなければ
バケツでもいいんだよ
ただ花を愛しく思い
生けたいという気持ちがあれば
誰だってなれるんだ
―――― 花瓶
単なる引き立て役かといえば
そうでもなく
かといって主役でもない
私はあなたを時に生かし
また同時にあなたに活かされる
―――― 花瓶
どう?世界が明るくなっただろ?
慣れるまでは
鼻がちょっと痛いかもね。
長い付き合いになるから
大事にしてくれよ。
―――― メガネ
泣きながら宿題をやった日も
夜遅くまで試験勉強をした夜も
初めてラブレターを書いた時も
いつも一番近くにいたのは
そう、僕だった
―――― 学習机
着替えでも化粧品でも
重たいものでもかさばるものでも
必要なものはなんでも
詰め込むことができるんだ
でもこれだけは入れ忘れないで
夢と希望を
―――― かばん
なにも歩いてる時まで
かまってくれなくていいんだよ。
君ならもっとスマートに
僕と付き合えるはず。
―――― スマホ
君の足が大きくなるのが早いか
走り回って底がすり減るのが先か
どっちにしても
それが僕の喜びなんだよ