あなたが目盛に付けた赤ペンの跡
が
口紅のようで
私はそれを誇らしく思う
作者:来野 怜志央 の作品(8訓)
誰のメモリーにも刻まれない
だけど自分は確かに知ってる
プロローグとエピローグ
そこに本当の自分があったりして
…
―――― 定規の目盛がついていない端っこ
大事なのは
直進するだけではなく
正しい方向に進むことだ。
―――― 定規
私の手
握りしめて
何処へでも連れてって
―――― ボストンバッグ
口半開き野郎
底抜けに明るいバカ
この業界じゃやってけねえ
―――― バッグ
僕ら小さなカーゴプレーン
パイロットは君
物・夢・希望 全部詰め込んで
駆け巡ってゆく 街・国・世界
―――― バッグ
忘れたくないのに
君との思い出が 僕の中から
あふれてしまいそうなんだ
こんな悪いアタマを
誰か、どうか、もっと、ちゃんと
作り変えてよ
―――― パソコンのメモリ
広げっぱなしにしないでね