目覚まし時計が鳴ろうとする30
秒前に目が覚めた。「今日はキミ
(目覚まし時計)に勝ったな」と
思った瞬間、鳴ってやろうと待ち
構えていたキミをがっかりさせて
しまったようでちょっと切ない…。
第11回 …に属する訓
あなたに本当に必要とされる時
案外私の出番はないのかもね。
―――― 目覚まし時計
いつもと同じ7時だよ。
だから、いつもと同じように
いつもとは違う1日が始まるよ。
―――― 目覚まし時計
耳触りのいい言葉って
意外と役に立たない。
少しうるさいくらいの事を言って
ハッとさせてあげるのも
大事だよ。
―――― 目覚まし時計
さあ、目を開けろ。
瞼の向こうには、
目の覚めるような出来事が、
きっと、待っているぞ。
―――― 目覚まし時計
さあ、
いまからどうする?
―――― 放課後チャイム
「鍋パーティー」
とかよくいうけどさ、
俺は別に主役じゃないんだよね。
―――― 鍋
「あっち向いて、ホイ!」
だけは、苦手なんだよね。
ほら、また負けちゃった。
ほんとは、
勝ったことないんだよね。
でも、元気にがんばるよ。
―――― スマートフォン
ほら、あの人との思い出に
とるにたりないものなど
何一つ、なかったでしょう。
―――― カメラ
首をかしげて曇った顔より
下を向いて雨粒涙より
上を向いて歩こうよ。
笑顔がこぼれるほど
晴れた空が広がってるよ。
―――― 下駄
燃えるような恋がしたければ
ただ見つめあうだけでいいんだ。
焦点をあわせたまま。
―――― 虫眼鏡
尻に敷かれっぱなしでも
全然かまわないさ。
笑いの絶えない一生を送りたくて
君を選んだんだ。
―――― 座布団
どうぞ、どうぞと譲り合う
日本人らしい考え方って
なんだか面倒臭いけど
嫌いじゃないんだよな。
―――― トランシーバー
まわりの空気なんかに
影響されないで!
君は君らしくいつまでも
熱くいて欲しいんだ。